はじめまして。
皆さんがおっしゃいます。
「元気なうちは我が家で暮らしたい」
きむら訪問クリニックはお応えします。
電話でいつでもご相談を(全科)。救急医療25年の経験を元に判断させて頂きます。
ご自宅で投薬、点滴、怪我の応急処置。
検査をして必要なら病院にもつなぎます。
どうぞご安心ください。
きむら訪問クリニックは病院でも外来でもありません。
いつでも相談できる、
いつでも 来てくれる、
昔は当たり前だった、
あなたのホームドクターです。
※注1)往診は原則として通院が不可能、または困難な患者様が対象です。
※注2)現在かかっておられる医師やケアマネージャー様からの情報を頂ければ幸いです。
医療法人ユリシス会
きむら訪問クリニック
是、不要不急にあらず!
2010 お声だけが頼りでした。2021 画面で医師とお話すれば大半は片付きます。緊急の前兆を見つける次の一手か?
これからお話しすることは、25年間の私の救急医療の体験です。
救急車で運ばれる重症の患者さんは血圧、体液量、呼吸機能が激しく変化します。救急外来(E.R.)では、患者さんと語ることはなく、様々な数値の変化や画像を頼りに限られたGolden Timeに救命に一心不乱となりました。
2004年、臨床研修制度ができ、卒後研修医には救急研修が必須科目になりました。研修医、看護師と3人で、時には同時に9台の救急車を受け入れ、優先順序をつけて同時並行で初期診察を行いました。そこでは9割が比較的軽症の患者さんで、残りの1割の入院を要する患者さんを選び出す<トリアージ>を、救急研修の中心に据えました。
専門性が高い診療科であるほど、初期のトリアージにはなじみがないため、救急研修は独特であったと評価されました。
ただ、入院患者の中には、もっと早く治療を開始しておれば、入院はおろか受診する必要もなかったかもしれない方々が居られました。誤嚥性肺炎の悪化や、体調不良が原因で転倒骨折をきたした高齢の方々です。もっと早くにどうにかできなかったのか、と漠然と思いました。この疑問に対し、以後今日に至るまで向き合うことになり、実は事はそう単純でないことを思い知らされたのです。
〜在宅医療とは何のため?〜
2008年、私は在宅医療に転向しました。最初の印象は、皆さんお元気ですね、でした。たまにあっても、熱が出た、食欲がない、眠れなくなった、便が出にくいという程度。風邪なら薬を処方するくらい。時々、急変とのことで往診に行っても大半はその場で処置できることが多く、緊急は介護スタッフがさっさと救急車を呼び事後報告だけ。鬱々とした気持ちで1年半、そのクリニックで在宅医療をそていて、あることに気づきました。
救急医療の時は2~3分診察したら大体の見当がつき、何をどうしたらいいのかわかるんです。けれども高齢者は最初の症状がはっきりせず、お腹が痛いのに肺炎だったことも。考え方によっては初期診察が一番難しい分野だと思うようになりました。自分で症状を伝えられない人もたくさんいます。ともかく、危ないと思ったら、ある程度過剰に予防策を打った方がいいと考えるようになりました。
一見、何も変わったことがないけど、腹部の出血などいろんなものが隠れている、浅い川でも深く渡れ、をモットーに、万が一に備えて周到にいろんなアプローチを考える救急医療の発想で、在宅医療を突き詰めていきたいという気持ちになりました。しかしさて、普段接しないのに、見えにくい前兆らしきものをどうやって捉えるのか、にぶつかりました。
〜在宅医療と介護の関係〜
初め「訪問の救急」だと勇んで臨みましたが、それはごく一部。生活、介護の時間の方が圧倒的に長い。医療が果たす役割は、廊下の備付けの消火器にすぎないのか。。。
外来や病院では用いる検査は豊富にありますが、逆に受診に至るまでの経過は中々実感としてわかりません。そうだ!普段生活を介助している介護スタッフは日々の様子をよく知っているはず、介護の言葉で表現される情報を集めようと考えました。食べっぷり、活気や意欲を、予め作っておいた空白に記入してもらい、FAXで送ってもらい、それに一つずつコメントと判断を返信して、みんなに共有してもらうという作業を何千枚と蓄積していきました。
最初の発見は、利用者さん(介護ではサービスを受ける方なので、患者さんとは言いません)に元気がなければ、普通は一生懸命に食べさせようとされますが、それがかえって誤嚥を招くのかも?咀嚼や嚥下の機能が低下するという加齢現象に、全身状態の悪化が重なると、いっときうまく食べられなくなる、それ自体がリスクサインであり、そんな時期であればリスクを減らして食べる力が回復するのをしばし待つ、これは救急医療のダメージコントロールに通じるものがある。そう考えて、1〜2日位はお水だけにして様子をみてくださいとアドバイスをしました。
しかし、おいそれとは納得はしてもらえません。食べないと元気にならない、食事介助が介護職の本領だからです。そのうち絶食で元気を取り戻す体験を重ねるうちに、「ご飯を止めてお水にしました。いつまで止めたらいいですか」と聞いてこられるようになりました。経口補水液の自作方法もお話しましたら、利用者さんが元気になる、病院に行くことがなくなった、いつの頃か<魔法の水>と称されるようになりました。水が取り持ち、お互いに意思疎通と情報共有ができて、連帯感が生まれ、垣根が低くなり、いつでも気軽に質問や相談を交わせる関係が徐々に育ってきました。そして10年が過ぎ、予想もしなかった未曾有のコロナ禍が到来しました。
〜今、オンライン診療へ〜
意思疎通、情報共有、連帯感においては、対面スキンシップが重要であることは、誰一人異論はありません。今、非接触でも連帯感を失わないために、<顔が見える関係>を新しい通信技術により保ちたいと考えています。救急医療の考え方、在宅医療の強み、オンライン診療の利点を組み合わせて、緊急or不要不急の判断に挑戦し続けます。
在宅医療を応援する情報サイト”ココメディカルマガジン”にて在宅医療特集のインタビューに答えています。
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